米国株の配当を円で受け取るかドルで受け取るかで「損」かどうかは、いくつかの要因に依存します。以下にポイントを整理して説明します。
1. 為替手数料による影響
- 米国株の配当は通常、米ドルで支払われます。これを円で受け取る場合、証券会社や銀行がドルを円に変換する際に為替手数料(スプレッド)がかかります。この手数料は通常、0.5%~1%程度ですが、証券会社によって異なります。
- ドルで受け取り、そのままドル口座に保有しておけば、この為替手数料を回避できます。
2. 為替レートの変動リスク
- 円で受け取る場合、配当支払い時の為替レートで円に変換されます。円高(ドル安)のタイミングだと、受け取る円の額が減る可能性があります。
- ドルで受け取れば、為替レートの変動リスクを自分でコントロールできます。たとえば、円安(ドル高)のタイミングまで待ってから円に換えることで、より多くの円を得られる可能性があります。
3. 税金の取り扱い
- 米国株の配当には、米国で10%の源泉徴収税がかかり、日本でも20.315%の税金がかかります(合計約28%の税金)。これは円で受け取ってもドルで受け取っても変わりません。
- ただし、ドルで受け取って後で円に換える場合、為替差益が発生すればその部分に追加の税金(譲渡益税)がかかる可能性があります。
4. 再投資の効率性
- ドルで受け取れば、米国株やETFへの再投資がスムーズです。円に変換すると、再度ドルに換える際に手数料がかかるため、再投資の効率が下がる可能性があります。
- 特に、長期的に米国市場に投資を続ける場合、ドルで保有しておく方が手数料を抑えられることが多いです。
5. 実際の「損」の計算例
仮に、100ドルの配当を受け取る場合:
- 円で受け取るケース:
- 為替レート:1ドル=150円、為替手数料:1%
- 手数料後レート:約1ドル=148.5円
- 受け取り額:100ドル × 148.5円 = 14,850円
- ドルで受け取るケース:
- 100ドルをそのままドル口座で保有。
- 後で円に換える際、為替レートが155円なら、100ドル × 155円 = 15,500円(手数料考慮前)。
- 為替手数料がかかっても、タイミング次第で円で受け取るより有利になる可能性。
結論
- 円で受け取ると損か?:為替手数料や為替レートの変動を考慮すると、円で受け取る方が不利になるケースが多いです。特に、長期投資や再投資を考えるなら、ドルで受け取ってドル口座で保有する方が手数料を抑え、柔軟性も高まります。
- 例外:すぐに円が必要な場合や、少額の配当で手間をかけたくない場合は、円で受け取るのも合理的な選択です。
推奨アクション
- 証券会社(例:SBI証券、楽天証券、マネックス証券)の為替手数料やドル口座の有無を確認。
- ドルで受け取れる環境を整え、為替レートを見ながら円に換えるタイミングを検討。
- 為替リスクをヘッジしたい場合は、投資戦略やファイナンシャルアドバイザーに相談。
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