オシレーター系で人気の指標らしいRSIと似たような名前のRCIは何が違うつぼ?
うんうん。
では今回はRSIとRCIの違いについて見ていきましょう。
ちなみにオシレーターとは相場の強弱を表すテクニカル指標の総称ですね。
RSIとRCIは、どちらも市場のトレンドの勢いや過熱感を評価する指標です。
見た目が非常によく似ているため、RSIを見ているつもりがRCIだったという事もあります。
ではRSIとRCIは何が違うのでしょうか?
またどちらを使った方がよいのでしょうか?
結論から言うと
RSIとRCIはその計算方法、基にする数値、使用用途などの点で異なります。
つまりそれぞれの指標で得意とする分野があるため、自分自身に合った指標を使うのが良さそうです。
RSIとRCIの違いについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
RSIとは
RSIはランク相関係数指数とも言われ、株価の上げ幅と下げ幅の比率を基に、
市場の勢いを0%~100%で評価する指標です。
計算方法:
- 一定期間の株価の上げ幅(上昇日)と下げ幅(下降日)を集計します。
一般的に14日間が使われます。 - 平均的な上げ幅(AU)と平均的な下げ幅(AD)を計算します。
- AU = (前日のAU * 13 + 現在の上げ幅) / 14
- AD = (前日のAD * 13 + 現在の下げ幅) / 14
- RSIは次の式で求められます:
- RSI = 100 – (100 / (1 + (AU / AD)))
用途:
- RSIが70%を超えると「オーバーボート」(買われ過ぎ)、
30%を下回ると「オーバーソールド」(売られ過ぎ)として解釈されます。 - トレンドの逆転や潜在的なエントリーポイントを示すために使われます。
一般的に50%を超えると上昇、下回ると下落トレンドとされます。
相場において買い圧力が強くなる(上昇幅の方が下落幅よりも多くなる)とRSIの値が上昇、
売り圧力が強くなる(下落幅の方が上昇幅よりも多くなる)とRSIの値は下落します。
RCIとは
RCIは相対力指数とも言われ、株価のランクを基にした相関係数を利用して、
市場の過熱感や底値を-100%~100%で表す指標です。
計算方法:
- 一定期間の株価データをランク付けします。例えば、過去14日間ならば、最高値が1、最低値が14のランク付けを行います。
- これらのランクを基に、相関係数を計算します。具体的には、ランクの順位のペアごとの積の総和を、ランクの順位の二乗総和の平方根で割ったものです。
- 最終的に得られた相関係数を利用して、RCIの値を決定します。通常、-100から+100の範囲で表示されます。
用途:
トレンドの強さや転換点を探るために使用されます。
- RCIの値が高い(例えば+80%以上)ときは過熱感(買われすぎ)が示唆され、
低い(例えば-80%以下)ときは底打ち感(売られすぎ)が示唆されます。 - 一般的に0%を上回ると「上昇」、下回ると「下落トレンド」とされています。
直近の時間にかけて価格が上昇するほどRCIの値は大きく、下落するほど小さくなります。
RSIとRCIは何が違うのか
RSIとRCIはどちらも市場の過熱感を表す指標です。
それぞれのチャートを見てみる
真ん中のチャートがRSI、一番下のチャートがRCIです。
RSIが0%~100%までの数値で表示されていますね。
そしてRCIが-100%~+100%の数値で表示されています。
どちらのチャートも一番上の日経先物チャートに連動して動いていますがRSIよりもRCIの方が大きな動きをしていることが見て取れます。
これは、RSIよりもRCIが小さな値動きに対して反応をしているということです。
なぜRCIが小さな値動きに対して反応をするのでしょうか。
もう少し詳しく見ていきましょう。
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それぞれの計算方法について見てみる
RCIが小さな値動きに対して反応ができるのは、その計算方法から説明することができます。
ここでは、簡易化された手順で説明します。過去5日間のデータを使ってRCIを計算する例を挙げます。
ステップ1: データの準備
下記のような株価データがあるとします:
ステップ2: ランク付け
各日の終値をランク付けします。ランクは最低値が1、最高値が5となります。
ステップ3: ランクの相関係数を計算
相関係数は以下の公式で計算します:
ここで、
- (x) は日付のインデックス(1, 2, 3, 4, 5)
- (y) はランク
- (n) はデータの数(この場合は5)
まず、各項を計算します:
これを使って相関係数 (r) を計算します:
ステップ4: RCIの計算
RCIはこの相関係数を使って以下のように変換されます:
しかし、実際のRCIの計算では、通常はもっと長い期間(例えば14日間)のデータを使い、正確なランク付けと相関計算を行います。また、RCIの値は-100から+100の範囲で調整されることが多いです。この例は単純化されていますが、概念的な理解を助けるためのものです。
ぬーん。
むずかしいつぼ。
一方で、RSIの計算式は以下の通りです。
RSI(相対力指数)の計算例を示します。ここでは、過去5日間のデータを使いますが、一般的に14日間のデータが使われることが多いです。
ステップ1: データの準備
下記のような株価データがあるとします:
ステップ2: 価格の変動幅(上げ幅、下げ幅)を計算
- 上げ幅(U)は、前の日の終値よりも現在の終値が高い場合の差。
- 下げ幅(D)は、前の日の終値よりも現在の終値が低い場合の差。
ステップ3: 平均的な上げ幅(AU)と平均的な下げ幅(AD)の計算
最初の日は上げ幅と下げ幅が0なので、次のように計算します:
- AU(初日を除く):
- 初日: 0 (AU = 0)
- 2日目: (0 * 4 + 2) / 5 = 0.4
- 3日目: (0.4 * 4 + 0) / 5 = 0.32
- 4日目: (0.32 * 4 + 6) / 5 = 1.328
- 5日目: (1.328 * 4 + 0) / 5 = 1.0624
- AD(初日を除く):
- 初日: 0 (AD = 0)
- 2日目: (0 * 4 + 0) / 5 = 0
- 3日目: (0 * 4 + 3) / 5 = 0.6
- 4日目: (0.6 * 4 + 0) / 5 = 0.48
- 5日目: (0.48 * 4 + 4) / 5 = 1.104
ステップ4: RSIの計算
RSIは以下の式で求められます:
この計算結果から、RSIは約49.04となります。これは、現在の市場が中立に近い状態であることを示しています。ただし、より長期間のデータ(例えば14日間)を使うことで、RSIの値はより正確になります。
ぬーん。
わかったようなわからないようなつぼ。
RSIは「値幅のみ」で計算され、
RCIは価格と時間の「ランク」を元に計算されていましたね。
RCIは、大きな値動きがないレンジ相場などでも、価格に対して反応があるということです。
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それぞれのアラート回数で見てみる
先ほどと同じく真ん中のチャートがRSI、一番下のチャートがRCIです。
RSI±70%とRCI±80%を超えた回数を見てみましょう。
明らかに一番下のRCIの方が、先ほども述べた通り反応も大きく、多くのアラートを発生していることが見て取れます。
RSIとRCIのどちらを使えばいいのか?
ここまでRSIとRCIの違いをみてきました。さてどちらを使えばよいのでしょうか。
RSIを使うメリット
RSIのチャートは見た目が非常にシンプルで分かりやすい指標です。
そのため、MACDや移動平均線などの他の指標ともよく組み合わせて使用されます。
他の指標との組み合わせについては、また別の記事で書いてみようと思います。
RCIを使うメリット
RCIは様々な設定を組み合わせてRCI単体の精度を上げることができます。
ちなみに私はRCIとMACDの組み合わせで試行錯誤しています。
まとめ
- 計算の基礎: RCIはランクに基づく相関係数、RSIは価格の変動幅に基づく。
- 解釈: RCIはランクの相関から市場の過熱感や底打ち感を、RSIは価格の勢いからオーバーボート・オーバーソールドを示す。
- 用途: どちらもトレンド分析に使われるが、RCIは特にトレンドの強さ、RSIは市場の勢いや逆転点の特定に適しています。
これらの指標を組み合わせることで、より精密な市場分析が可能となります。
今回はRSIとRCIの違いについて見てきました。
ここまでご覧いただきましてありがとうございました。
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